ほどけにくい靴紐の結び方

日常生活の中で、「気がつくと靴紐がほどけていた」、「靴紐を何度結び直しても、すぐにほどけてしまう」といった経験は、誰でも一度はあるのではないでしょうか。

靴紐がほどけていると、見た目がだらしないだけでなく、自分や他人が踏んで怪我をする事にもつながります。

そうならないためにも今回は、ほどけにくい靴紐の結び方や通し方について紹介します。

スニーカーの靴ひも

■そもそも、なんで靴紐はほどけるの?

靴紐がほどけるのには、いくつかの原因があります。

アメリカのカリフォルニア大学バークレー校で行われた研究では、歩行中に靴が地面に繰り返し衝撃を与えることで結び目部分が緩くなり、そこに足の振りによる力が加わることで、結び目がほどけやすくなるという結果が出ています。

また、地面を蹴る衝撃と足の振りで生じる慣性の力が増加するほど、靴紐がほどけやすくなります。

このようにいくつかの要因が重なることによって、靴紐はほどけやすくなっています。

それ以外にも、靴紐の結び方によっても、ほどけやすさは変わります。

靴紐の結び方や通し方には複数の種類があり、一般的な蝶々結びとスポーツ選手が用いる結び方とでは、ほどけやすさに差が出ます。

靴紐の種類や歩く環境など、靴紐がほどけやすくなる要因はさまざまです。

 スニーカーの靴ひも

■ほどけにくい靴紐の結び方とは?

一般的な蝶々結びは、普段の生活では支障は少ないですが、激しい運動をする場合にはあまり適していません。

そこで、蝶々結びよりもほどけにくい靴紐の結び方を紹介します。

・イアン結び

この結び方はほどけにくく、慣れればスピーディーに結ぶことができるため、プロのスポーツ選手も実践しています。

  1. まずは1度普通に結び目を作り、左右に輪を作ります。
  2. この時、左側の輪は紐を上に、左側の輪は紐が下にくるようにするのがポイントです。
  1. そして右の輪を左の輪に通し、そのまま左の輪も右の輪に通した後、両方の輪を引っ張って完成です。

登山やマラソン、激しい運動の際にも重宝されるので、1度結び方を覚えておくと便利ですよ。

・イアン・セキュア結び

イアン結びよりもさらにほどけにくい結び方です。

  1. はじめはイアン結び同様に左右に輪を作ります。
  2. その後、右側の輪を上にして交差させ、左の輪を手前に回します。
  3. もう一方の輪を逆方向に回し、両方の輪を中央に出来た穴に通して、形を整えながら引っ張れば完成です。

少し複雑な結び方ですが、非常にほどけにくく、耐久力があります。

・ベルルッティ結び

ほどけにくさに加えて、見た目も洗練された重厚感のある結び方です。

  1. はじめに結び目を作る際に、2周回します。
  2. そこから蝶々結びを作る工程で、最後に穴に2回通して、両側の輪を引っ張って完成です。

この結び方は軍隊の行進時に靴紐がほどけないようにと考案されたもので、1970年代にデザイナーのオルガ・ベルルッティによって普及されました。

シューズを履いている人が、1度に両方の靴紐を引っ張らない限りほどけないので、耐久力は抜群です。

これらの結び方は普段の生活はもちろんのこと、登山やスポーツをする際に知っておくと非常に便利です。

こうしたちょっとした工夫で靴紐がほどけるリスクは減っていきます。

ぜひ、実践してみてはいかがでしょうか。

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■いろいろな靴紐の通し方とは?

靴紐は結び方だけでなく、通し方にも種類があります。

間違った通し方や、きつ過ぎたり、ゆる過ぎたりすると怪我の原因になりかねません。

左右均等に締め、緩みにくく弾力的であることがポイントです。

それらを踏まえて、ポピュラーな靴紐の通し方を紹介します。

・オーバーラップ

靴紐を上から下に通していくスタイルで、締まりが良く、緩みにくいのが特徴です。

スニーカーだけでなく、革靴などあらゆるシューズに使用可能。

足をしっかりと包み込むことができるので、安定感があります。

  1. まずは、つま先側の左右の穴に上から靴紐を通し、出てきた靴紐の長さを左右均等にします。
  2. そこから靴紐が捻れないように注意しながら、足の外側の靴紐を内側の穴へ、上から下に通します。
  3. 次に足の内側にきた靴紐を外側の穴へ、上から下に通します。

この工程を1番上の穴まで繰り返し、最後に結べば完成です。

・アンダーラップ

これはオーバーラップとは逆で、靴紐を下から上へと通していくスタイルです。

足にかかる圧力が低く、長時間履くのに適しているのが特徴。

靴紐の通す工程は、基本的にオーバーラップの逆を行います。

  1. つま先側の左右の穴に下から靴紐を通し、出てきた靴紐の長さを左右均等にします。
  2. その後、足の内側にきた靴紐を外側の穴へ、下から通し、足の外側にきた靴紐を内側の穴へ下から通します。
  3. これを一番上まで繰り返して、結ぶと完成です。

オーバーラップと並んで、どちらも「スニーカー結び」と言われるほど一般的なものですが、見栄えや使い勝手も良いので重宝されています。

・シングル

オーバーラップとアンダーラップがスニーカーに適しているのに対して、シングルは内側の靴紐が目立たないため、革靴やフォーマルなスニーカーに最適です。

  1. つま先側の左右の穴に上から靴紐を通し、足の内側にきた靴紐を外側の一番上の穴へ、下から通します。
  2. 足の外側にきた靴紐を内側の穴へ下から通し、内側にきた靴紐を同じ高さの反対側の穴へ、上から通します。
  3. この工程を繰り返し、最後の穴に下から靴紐を通して、左右の長さを調整したら完成です。

ここでは3種類のみの紹介になりましたが、他にもたくさんの靴紐の通し方があります。

スニーカーの種類や使用シーンに合わせて、使い分けてみてはいかがでしょうか。

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■靴紐の選び方は?

お店に行くと靴紐だけで何種類もあって、選ぶのに迷ってしまうことがあるでしょう。

そんな時のために、靴紐を選ぶ際のポイントを紹介します。

まず1番大切なのが「長さ」です。

スニーカーによって必要な靴紐の長さは違うので、既存の靴紐の長さを測り、その長さを基準に購入する必要があります。

見た目が気に入って購入し、いざ付け替えようとすると「長さが足りない」なんてことにならないよう注意しましょう。

次に「形状」です。

靴紐は形状によって特徴があり、ご自身の用途に合わせてお選びいただく必要があります。

主にカジュアルなスニーカーに使われる「平紐」。

これは紐自体の強度はあまり高くありませんが、ほどけにくく、屋外での使用にも適しています。

それに対して「丸紐」は、平紐よりはほどけやすく、スポーツには適していませんが、紐自体の強度が高いので、長く使用することができます。

スニーカーだけでなく、ビジネスシューズなどにも使われることが多い靴紐です。

平紐と丸紐の特徴を併せ持ったものが「平丸紐」。

紐自体が楕円のような形をしており、ランニングシューズやバスケットシューズなど動きの激しいスポーツでも、良く使われています。

ほどけにくさと靴紐自体の強度のバランスが良く、使い勝手の良い靴紐です。

また、オシャレを楽しみたい方にとっては「色」も重要な要素。

シンプルなスニーカーも靴紐の色を変えるだけで、全く違った印象になるので、気分や服装に合わせて変えるのも良いでしょう。

スニーカーの靴ひも

たとえば、これまで男性人気の高かったタナカユニバーサルの「GERMAN TRAINER」に、可愛らしい雰囲気の靴紐を合わせるだけで、女性でも気軽に履くことができます。

逆に「maccheronian」のような女性人気の高い商品にシックな靴紐を合わせて男性が履くのもオシャレを楽しめます。

 

今回ご紹介したように、靴紐の結び方や通し方にはたくさんの種類があります。

ご自身の目的や好みに合わせて、安全でオシャレなスニーカーライフを送りましょう。

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