足が痛い

「足が痛い」と感じたときの対処法を症状別に解説します

歩いているときに足にちょっとした痛みを感じることって、ありませんか?痛みが軽いからといって足に合わない靴を履き続けていると、ちょっとした痛みでは済まなくなってしまうこともあるんですよ。

外反母趾になったら、まずは開張足を改善させましょう

足の親指というのは本来、ほんの少しだけ小指側に曲がっています。しかし必要以上にグイッと小指側に曲がってしまうと、親指の付け根の部分が極端に飛び出てしまいます。この症状のことを外反母趾というのです。人によっては人差し指の下にまで親指がもぐり込んでしまうこともありますし、逆に人差し指の上に親指が乗り上げてしまうこともあります。そして外反母趾になると飛び出している親指の付け根の部分が、歩くたびに強い圧力で靴に当たるため、強烈な痛みを感じるのです。患者の中にはこの痛みを「つま先から頭頂部まで痛みが瞬時に駆け上がるようなツラさ」と表現する人もいます。

また外反母趾の原因となった靴をそのまま履き続けているとさらに症状が進行し、靴を履いていない状態で床に足を置いただけでも激痛が走ることもあります。そうなってしまうと、さすがにほとんどの人は柔らかい素材で幅広の靴を買い求めるのですが、そこまで症状が進行してしまっていては靴を変えることで痛みを軽減する効果はあっても、外反母趾を治す効果は薄いといえます。そもそも外反母趾というのは、足の指と指の付け根の部分とを結んでいるアーチが崩れたことが元になって起きる症状です。このアーチが崩れた状態のことを“開張足”と呼びます。外反母趾の治療は、まずこの開張足を改善することが優先事項なのです。

開張足を改善するにはアインラーゲンなどのしっかりした中敷が備えられている靴を履くようにしましょう。アインラーゲンなどの中敷には、崩れてしまっている足のアーチをそっと支える効果があるのです。足のアーチを支えることによって外反母趾の進行を遅らせることができます。

“内反小趾”って聞いたことありますか?

外反母趾の小指バージョンといわれているのが“内反小趾”です。内反小趾とは足の小指が親指側に倒れ込み、小指の付け根の部分が外側に飛び出ている状態を指します。足に合っていない靴を長時間履き続けていたことを起因とし、指の付け根の飛び出た部分に圧力がかかって痛みを感じる点は外反母趾と同じです。しかし内反小趾の患者からは「靴を履いた直後は痛みが無いのに、2~3時間経つと急に痛みを感じるようになる」という声がよく聞こえてきます。親指よりも小指のほうが関節が柔らかいため、最初の数時間なら靴の形に順応できるからこのような症状になるのです。また靴の中で足がすべって、ちょっとずつ足が前に出てしまうことも後で痛みを感じる原因とされています。

では外反母趾のように靴の中に中敷を備えれば良いかというと、そうではないこともあります。中敷を備えて靴の中が窮屈になると、関節の柔らかい小指が圧迫されやすくなってしまうからです。中敷で小指が圧迫されるからといって靴幅を広げると、今度は逆に足が前にすべりやすくなってしまいます。内反小趾の治療は中敷の厚さやすべり具合の調整などのわずかな加減が改善のスピードを左右するのです。またオーダーメイドの靴屋では小指の部分を少しだけ広くして作ることも可能なので、内反小趾の治療用として自分の症状に合わせた靴を購入することも選択肢に入れておきましょう。

 

足の指の関節部分だけに痛みを感じる場合は“ハンマートゥ”になっている可能性があります。ハンマートゥとは、足の人差し指、中指、薬指が曲がったままの状態になる症状を指します。人によっては小指まで曲がったままになってしまうこともあります。足の指から甲にかけての部分を横から見ると槌のような形に見えるためハンマートゥと呼ばれるようになりました。この症状は女性に見られることが多く、つま先部分にあまり余裕がない靴を長時間履き続けたことが原因で起こることがほとんどです。

ここで自分がハンマートゥかどうかをセルフチェックする簡単な方法を紹介します。まずは平らな床の上に背筋を伸ばして素足でまっすぐ立ちます。次に背筋を伸ばしたまま前方に少しずつ体重移動をしてください。そのとき足の指は床をつかもうとして、ひらがなの“くの字”のように曲がるはずです。これ以上に体重移動をしたらバランスが崩れてしまうというところまで体を曲げたら、ゆっくりと最初の姿勢に戻してください。足の指はまっすぐに戻っているでしょうか。もし指が自然とまっすぐにならずに“くの字”の状態をキープしているのなら、ハンマートゥであることを疑いましょう。関節が固まってしまう前であれば、靴を改良することである程度は改善できます。

指の曲がった部分が常に靴の中の上部に当たっているのであれば、靴の修理屋でその部分だけを伸ばしてもらうことが可能です。またシューストレッチャーというアイテムを使えば、自分で修理することもできなくはありません。新たに靴を購入するのであれば、試し履きのときに靴の中で指を曲げたり伸ばしたりできるかを必ず確認してください。指が靴の中の上部に当たらないだけで、痛みはだいぶ軽減されますよ。またお風呂上がりに足の指を引っ張ったりもみほぐしたりすることでも、ハンマートゥは改善できます。

足の痛みは体の上へ上へと上昇します

足の痛みは放置しておくと、足首→膝→腰、といったふうに傷む箇所がどんどん上昇していきます。大きな体のトラブルにつなげないために、早めの対処を心がけましょう。

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